コロナ禍が終了したのかどうかも定かではないまま、このゴールデンウィークには旅行解禁(?)という周囲の雰囲気にのまれ久しぶりの海外旅行先に選んだのは最も難易度の低い「台湾」でした。事前の調べでは、台湾入境時も検査等は不要になっており、到着時に空港で滞在日数分の抗原検査キットが無償で配布されるので、それで毎朝テストして、「陽性」ならば当局に連絡してしかるべき対処をとる、、、とのことでしたが、どうなることやら。
1日目(午前)
関西空港第2ターミナルへ
大阪から台湾へ行くとなれば、利用する航空会社は「ピーチアビエーション」を最優先で検討します。今回もスケジュール的にも価格的にも一番ぴったりだったのでピーチの朝一番の便に乗るため、本当に久しぶりに関西空港へ向かいます。関西空港への移動は鉄道(地下鉄+南海電鉄)が一番安いのですが、今回はピーチアビエーションは発着する第2ターミナルへ行かねばならないので、直行してくれる空港バスを選択しました。鉄道で行くと、駅から第2ターミナル行の無料シャトルバスに乗らなければならないので、面倒なのです。しかし知らない間にバス料金も値上がりしていました。今まで客がいないのに運航を維持してくれたのには頭が下がりますが、やはり「高杉」です。
ピーチアビエーションはコロナ禍中もちゃんと営業していたようで、今回台北行きに充当されていた機材は、新規導入されたAIRBUS321neoでした。今までの320よりも少し大型で乗客もたくさん積めるそうです。今回もツレとは通路を挟んで左右で座席を予約しましたが、それぞれ中央席にも他の乗客がおり、8割以上の搭乗率だったのではないかと思われました。
あと機内のエンターテイメントとして、各自のスマートフォンを使ってビデオプログラムを見ることができるようになっていました。その他機内食や機内販売の注文もスマホでできるようです。機内モニタでよくあるルートマップなんかも表示できたりして結構使えます。ただ今回はイヤホンをもってなかったので、ビデオは視聴せず。ピーチに乗る際はイヤホン必携です。
台北 桃園空港到着
さて、朝一番に出発したピーチアビエーションの便は滞りなく3時間で台北桃園国際空港に到着しました。7時55分発だったのでこの時台北時間では9時55分。まだ午前中だというのに入国審査場は結構な長蛇の列になってました。結局入国するまで30分くらいは並んだでしょうか。この時間にスマホのSIMを台湾のSIMに入れ替えます。といっても現在は物理的な(実体のある)SIMではなく、時代はeSIMに移り変わっていました。これだと国内で使っていたSIMはそのままで、eSIMをスマホに追加することでデュアルSIM(要するに国内の電話番号は生かしたまま外国の番号を追加)として使うこともできます。まあ私は国内の電話がかかってきたらうっとうしいので、国内の方は無効にしておきましたが。
eSIMはインターネットで購入すれば電子メールでQRコードが送られてくるので、郵送されてくる物理SIMと違い出発直前でも購入ができて非常に便利ですし、何より安い。1日あたり100円以下で速度も容量も十分です。空港内で物理SIMを購入することもできますが、国内で予約しておいても引き取りまでに時間も手間もかかるので、eSIMおすすめです。
入国審査はいつもの通りスムーズにすみました。真新しいパスポートにスタンプをもらって入域です。今回は機内預け入れ荷物がない(というか荷物預けの代金をケチった)ので、入域後そのまま空港から移動します。台北へ向かうなら鉄道(MRT)か公共バスという2つの選択肢がありますが、今回は台北へは向かわずひとまず台南へ行ってその後高雄に一泊する予定なので、MRTで高速鐡道(新幹線)の桃園駅へ向かいます。ずいぶん昔にチャージしたiPass(交通カード)の残高が使えるかわからなかったけど、自動改札にかざしてみたらOKでした。ニュー台湾ドルは手持ちが2000元(8000円くらいか)あったので、とりあえず両替やATMでの現金引き出しは不要と判断し、とりあえずMRTに乗ります。
MRT桃園駅から高速鐡道で台南へ
MRT桃園駅までは10分程度で到着します。高速鐡道の桃園駅はすぐ隣接しているので、一番早い列車に乗ればいいのですが、日本で予約した外国人向けの安い(なんと半額)チケットは、午前中の人気の便は予約できなかったので、もともと結構タイトなスケジュールではありますがここで1時間強の待ち時間が生じます。この駅、以前は周りに何もなかったのですが、今はアウトレットモールができていたので、そこのフードコートで早めの昼食にします。いろんな各国料理がありましたがどれも結構いい値段します。台湾の物価が上がったのか、私が貧乏になったのか、、、まあ両方でしょう。とりあえず無難そうなシンガポール料理を注文してみました。お味はまあまあ、日本でもフードコートってこんなもんでしょ、っていう味です。
アウトレットのショップでは特段買いたいものもなく、少し時間をつぶして12時半頃になったので、高速鐡道の駅に向かいます。ここの券売窓口(有人)で、日本で予約した切符を受け取ります。一応予約時に発行されたバウチャーも提示しましたが、係員はパスポートだけを確認して発券してくれました。在来線である臺灣鐡道だと日本から予約した切符は自動券売機でも受け取ることができるので、この点は臺灣鐡道のほうが便利です。
台湾の高速鐡道(新幹線)は日本の新幹線によく似ているというか、基本的に同じもののようです。なのでまあそこそこ快適ですが、日本の新幹線と同様、横揺れをやや感じます。この点は大陸の高速鉄道HSRのほうが快適かもしれません。桃園から台南までは高速鐡道で1時間ちょっとで到着です。といっても高速鉄道の台南駅は街はずれにあり、街の中心である臺灣鐡道の台南駅までは在来線で移動しなければなりません。(高速鐡道の台南駅は臺灣鐡道の沙崙駅に接続しています。)
台南では美術館巡り(台南市美術館1館、2館)
やっとこさ、台南中心である臺鐡台南駅に到着したのが15時前だったと思います。今回の台湾訪問の目的は「美術館と建築巡り」ということにしていて、まず最初に行こうと思ったのが「台南市美術館」だったのです。ここは旧警察署だった日帝時代の建物をリノベーションした第1館と日本人建築家である坂茂(ばんしげる)と台湾の石昭永事務所とが共同設計した第2館があります。美術館の展示内容もさることながら、特に第2館の建築を見たいというのが主目的です。
台南駅前からは十分歩ける距離ではありますが、時間が惜しいので公共バスに乗ります。スマホ時代の前は、知らない土地で公共バスに乗るのは至難の業だったのだけど、いまはGoogleに聞けばすぐに経路がわかります。バスの出発時間もそこそこ正確だし、料金はiPass(交通カード)があるし、全然平気です。
Google地図に頼っていたら降りるバス停を1つ通り過ぎてしまい(降りるボタンをしたけどならなかった)、少し戻って第2館の外観を鑑賞してからチケットを買って入場してみますが、入場料が思ったよりずいぶん高い。台湾の他の都市の公立美術館に比べると数倍の価格だと思われます。後で調べると、ここは台南「市立」美術館ではなく、台南「市」美術館。「市立」ではなく行政法人が設立、運営しているのだそうで、料金が高額なのもそのせいなのかもしれません。
美術館としての展示は結構面白いものでしたが、今回は建築巡りが主目的だし、リノベーションされた台南市美術館1館も見に行きたかったので、到着が遅かったこともあり少し駆け足で見て回りました。
台南市美術館2館は起伏のある敷地をうまく使い、周囲の公園と一体となった計画はなかなかのものですが、いろんな部分が私の好みにはいまいちヒットしませんでした。ただ、海外で日本人建築家が奮闘しているのを見るのはいいものではあります。ちなみに台湾は建築を非常に大切にする土地柄で、古い建築も大切にする傍ら、新しいモダン建築も積極的に建築しており、外国人建築家では旧宗主国であるオランダ人の設計が多い中、若い台湾人建築家も出現してきているようです。
駆け足で台南市美術館2館を見学したあとは、徒歩圏内の1館へ向かいます。周囲にはクラシックな建築がいくつもあって心惹かれますが、まずは1館の見学ということで、10分ほど歩いて1館に到着です。1館はもともとは日帝時代の台南警察署だった建物を美術館にリノベーションしたようですが、さほど大掛かりなリノベではなく、隣接棟との間にガラス屋根を新たに架けて全体を増床したような作りになっていました。元の構造や雰囲気や損なわずに建築を延命させる手法には「ゆとり」が見られ、大変好もしく感じます。
入場は有料ですが、チケットは1館、2館共通ですので、捨てずに持っておく必要があります。
その他のクラシック建築
その他周囲の建物も見て回ろうとしたのですが、17時を過ぎて公共建築的な建物はそろってクローズに。残念ですが外からの見学だけで済ませて、もといた2館裏の公園を散策します。この敷地は日帝時代は神社だった場所だそうですが、その雰囲気はもはやありません。
早めの夕食は店選びをやや失敗
なんだかんだで6時前頃になったので、少し早いけど夕飯を食べて、本日の宿泊地である高雄へ移動することにしました。今日の晩御飯は、現在地から徒歩で移動できる場所にある、以前台南に来た時に立ち寄ってとても印象が良かった食堂に行くことにしました。途中で途中でATMを探して現金を補充(台湾のATMはコミッションを付加するところがあるので要注意)して、目的の店に向かいました。
目的の店は写真にある「上海華都小吃」。看板にミシュランのキャラクター(ビバンダム君)が描かれているが、昔、緑のミシュラン(緑はレストランガイドではなく、旅行ガイド)に載ったことがある店だそうです。まだ日がある時間帯だったのでそれほど混んではいなかったけども、6人くらいのテーブル(相席)に案内されました。まあ相席は構わないのだけれど、荷物をもって移動していたので、その荷物をテーブルの足元に置いてたら迷惑そうに「あっちに置け」的なことを言われ、席からずいぶん離れた会談したスペースみたいなところにバックパックを押し込むよう指示を受け、以降、ホールの人たちがずいぶん愛想が悪かったのがすごく残念でした。特に私たちだけに愛想が悪かったのではなかったので現在はそういう店なのだと思うのですが、前回訪問した時は、店主らしきおじさんが自分が掲載された雑誌の切り抜きを自慢げに見せてくれたり、とても雰囲気が良かっただけに今回の悪印象とのギャップに少し萎えました。それでも料理はおいしいので、不愛想な店に耐性がある方はぜひ行ってみてください。松葉を敷いて蒸し上げる小籠包はここが発祥だそうで、もし行くのだったら小籠包は一人一蒸籠注文してください。
台南から高雄へは臺灣鐡道で
夕食はまあおいしかったけど何だか釈然としない感じで、徒歩で台南駅に向かいました。台南の中心地は頑張ればほぼ徒歩で歩ける圏内にあるので、観光は非常にしやすいです。今回は到着初日で桃園から高速鐡道で移動してきて、宿泊はさらに南の高雄なので、なるはやに移動して腰を落ち着けたかったし、台南へは以前に来たことがあって(その時も高雄からの日帰り)その時に観光はしていたので、今回は早々に移動です。
台南駅に到着しましたが、GoogleMapの列車情報と、駅の表示にずいぶん相違があります。どうやらダイヤが少し乱れているようです。急行列車なら指定席を先に買ってから乗車しようと考えていましたが、どうやら普通列車のほうが先に到着しそうな表示だったので、iPass(交通カード)で入場しました。ところが特急列車が先に来たので、まあ社内で特急料金を清算すればいいかと、自由席らしき車両に乗り込んで着席。およそ1時間程度で高雄に到着するはずです。そうしているうちに車掌が検察に来て切符を見せろと言っているようなので「切符はないのでここで清算してほしい」旨を(英語で)伝えたのだけど、なぜか頑なに高額な料金を言ってくる。わけがよくわからないが、高雄駅の改札でゆっくり説明してもらおうと一応言いなりの料金(正規の倍くらい)を払ってレシートをもらっておきました。
で、高雄駅で降車して改札で説明をしようと、説明の仕方(英語)を脳内で整理していたら、「切符なしで特急列車に乗ったらペナルティ2倍」的なことが書いて壁に貼ってありました。後で調べたら、日本の鉄道のように「特急料金」という考え方がなく、運賃がそもそも違うのだそうで、特急列車の切符なしで乗り込んでしまうとペナルティを払わされるそうです。知らなかったのは私が悪いのですが、鉄道会社としてはあまり合理的な方法ではないよな、、、と少しめげました。
臺灣鐡道の運賃の一件で落ち込みつつも、地下鉄に乗り換え、今夜の宿に向かいます。今回の旅程では高雄での宿泊は一泊だけなので、以前に一回宿泊したことがあり、何かと便利な場所にある「カインドネス ホテル ジョン ジェン 康橋商旅 六合夜市中正館」を選択してagodaで予約しておきました。ここは地下鉄の2路線が交差する美麗島駅が最寄り駅で交通が大変便利なのと、ホテルのすぐ裏で六合觀光夜市が開かれているので、高雄に来た際はここに宿泊することにしています。便利で清潔な上、1階のダイニングスペースは24時間開放されていて、飲み物やアイスクリームがフリーで提供されているのもGoodなのです。
六合觀光夜市
ホテルにチェックイン後に、少し残念だった夕食を補うべく裏の道路で開かれている六合觀光夜市に行ってみました。台湾の夜市で飲食をするのはあまり得意ではない(衛生面ではなく、人が多すぎて落ち着かないので)のですが、お客さんが集まって次々に注文してゆく椀に入った謎の食べ物があったので、小腹もすいていたのでチャレンジしてみました。
夜市も流してみて、観光気分があがってきましたが、明日は予定がぎっちりなので早めにホテルに帰って休みます。
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