昨日クレジットカードの紛失に気付き意気消沈するも、今日は昆明の観光が出来る唯一の日なので、気を取り直して観光に精を出します。と言っても昆明は雲南省の省都で大都会なので、見るべきものは多くはないので、以前昆明でトランジットをした際に行ってみようかと思いつつ体調不良でいけなかった「雲南民族村」へ行ってみることにしました。
6日目(午前)
昆明で観光できるのはこの日1日だけ。昆明からの観光といえば「石林」がメジャーだけども、ここを1日で訪れるにはツアーに参加するのが一般的。ただこの日はツレが所望していた「雲南映像」ショウのチケットを予約してあったので、夕方には戻ってこないといけないし、それほど「石林」が見たいわけでもなかった(イ族自治区内というのには惹かれるが)ので、素直に公共バスで回れる範囲を観光することにし、「雲南民族村」へ行ってみることにしました。
雲南民族村
以前昆明に来たのはスリランカへの乗り継ぎで降り立った5年前。行き帰りとも昆明経由だったのだけど、帰りはほぼ半日昆明に滞在だったので「雲南民族村」へ行きたいと思っていたのです。その昔、深圳(シンセン)の「中国民俗文化村」に何の気なしに行った時に意外とよかった記憶があって行ってみようと思っていたのですが、それほど時間が取れなかったのとスリランカから戻った際に体調があまり良くなかったことで断念していたのです。
百度地図で調べたところ、ホテルから少し歩いたところからバスにのれば乗り換えなしで行けることが判明。ほんとに便利です百度地図。主だった路線はバスの接近情報の表示されます。45分程度で民族村の入場門に到着しました。
入場門からしばらくは無料エリアだけど、主にお土産物屋が多いです。その奥に入場チケット売り場がありますが、入場チケットの料金体系は民族ショウ?の入場料が含まれるものとそうでないものがあって、やや複雑。ショウは開演時間が決まっているので、時間が合わないので一番安いチケットを購入しますが、各民族の個別のショウは見ることができます。各民族の展示場所はそれぞれ分けられていて、民族のショウが行われるのはそれぞれのエリア。入場口でショウが行われるタイムテーブルがもらえるので、その時間帯を見ながら散策するのが良いでしょう。ただ全体のエリアは広大なので移動の時間は計算しておかないと、見たいショウを見逃すことになります。
各民族のエリアはよくできてはいるものの、作り物感が出てしまうのは仕方がないところ。以前に見た深圳(シンセン)の民俗村にあった建築は比較的本物感が強かっただけに残念。それでもスタッフが各民族の民族衣装を着用していて雰囲気を盛り上げてくれます。
全体的にゆるい雰囲気の民族ごとの展示ですが、蔵族(チベット族)の仏教寺院は建物はハリボテ感が強いものの、何かしら緊張感があって良かったです。漢族からは迫害を受け続けているチベットですが、そのこともあって緊張感を感じるのかもしれません。ハリボテっぽい建物の入口を「コンコン」と拳で叩いて見た(建築関係者はよくそういうことをする)ところ、そばにいた僧侶っぽい人にかなり怖い目で睨まれ退場を促されました。今回の旅行では気候が良ければシャングリラへ行ってチベット寺院を見ようとも思っていたので、思いがけず(作り物かもしれなけど)見られたのは幸いでした。
その他いくつかの民族エリアを見て回りましたが、ゆるいところもあるしある意味緊張感が感じられるところもあり、単純におすすめできる場所かといえば難しいところ。入場料もそこそこ高いけど、中国での「少数民族」という事への興味があればそこそこ楽しめると思います。
6日目(午後)
滇池海埂公園
雲南民族村の観光の後、入場してきた北門とは反対の南門から退場します。南門から出場してすぐの場所に「滇池海埂公園」という湖沿いの公園があり、渡り鳥(かもめでしたが)が越冬に飛来するらしく、以前にテレビで取材されているのを見たことがあったので行ってみました。テレビでは浜辺でお年寄りが渡り鳥に餌をやるような切ない雰囲気の映像でしたが、行ってみるとそんなことはなく、大勢の観光客で賑わっていました。餌も販売されていますが、パンの耳とかではなく、立派なコッペパンがそのまま売られています。賞味期限が切れたやつかもしれませんが、まだ食べられそうなものを鳥の餌にするなんて、裕福なんだなと感じました。買ってみようと思ったけれど、どうやら現金を扱っていないようなので、他の人が与える餌に寄ってくるかもめを写真に撮ったりして過ごします。
公共バスと地下鉄で市街に戻る&早めの夕食
滇池 海埂公園から市街へ戻るルートを百度地図で検索し、バスで湖の反対側へ行き、地下鉄に乗るのが良さそうだと判断して、バス停で暫しバスを待ちます。20分くらい待ってやってきたのは乗客で満員のミニバス。どうしようかちょっと躊躇したけど、乗り込みました。料金はミニバスなので1元。ギュウギュウ詰め(なぜか老人の乗客が多い)のバスで20分程度で地下鉄の始発駅「西山公园」に到着。まだ新しい駅から地下鉄に乗り込みますが、結構時間が押してきました。というのも今晩の8時からの「雲南映像」ショウに行くために、早めに夕食をとってホテルに戻らないといけません。ツレは最初の日に行って昨夜その支店に行った同じレストランに再々度行きたいというので、百度地図で検索すると地下鉄を途中で降りてバスに乗り継げば行けることが判明。昆明で同じレストランに3度も通うなんて思ってもみませんでしたが、美味しかったので特に異論はありません。
まだ早い時間なので4品+ビール1本(2本?)で済ませたが、2人で150元と安定した低価格。満足してホテルに向かうために、またまた百度地図に従ってバス停でバス待ちです。しかし今まですんなりと来てたバスが、今回時間に余裕がないときに限って違う番号のバスばかり来て肝心の乗りたいバスが来ない。確かに20分間隔とは書いてある(時刻表はない)が、20分以上経っても来ない。タクシーも全く通りかからないので、仕方なくそこそこ近くまで行くバスに乗り、残りは歩くことに。ショウを見に行くために6時半に戻ってくるように言われていたのに、百度地図の案内でも8分遅刻となりそうです。まあ、中国時間で8分だったら許容範囲内だろうと考えていたのですが、ホテルに戻ったら「約束の時間に来ないから呼んでおいたタクシーは帰ってしまった」とのこと。今の中国の都市で駅以外でタクシーを拾うのは大変困難なことだそうです。
ここからホテルスタッフの奮闘が始まります。タクシー会社に連絡するのと並行して、スタッフが自分のスマホアプリでタクシー(白タクだが)を捕まえようとしてくれています。我々は為すすべもなくその姿を見守っていることしかできませんが、やがてスマホアプリに応答があった模様。スタッフのお姉さんがガッツポーズをとります。スマホアプリでの配車はアプリでの事前決済のようなので、あすの朝お金を返すことにして早々にやってきた車に乗り込みます。行き先まで運転手に丁寧に指示してくれて、大変お世話になりました。
6日目(夜)
「雲南映像 」ショウ
「雲南映像」ショウの劇場はこの間まで今回宿泊したホテルのすぐ傍にあったのだけれど、私たちが訪れた数週間前に郊外のショッピングモールに併設された劇場に移転してしまったようで、ホテルからは車で30分くらいかかる場所にありました。正確にどのへんなのかはさっぱりわかりませんが、真新しい街だったことはよく覚えています。ホテルスタッフの頑張りの甲斐があって、開演時間には十分間に合いました。
ショウは中国の少数民族である演者たちが演じる、大地の創造と人々の営みに関する演目だったように見えました。というのも(もともとセリフは少ないのですが)要所々々でスクリーンに表示される解説が漢字だけだったので、細かな内容までは理解できなかったのです。開演前に上演中は撮影禁止である旨(漢字で)表示されていましたが、そんなことを気にしないのが中国人の悪いところ。といっても騒がしいわけではないので気にしなければ問題ないのですが、我々も写真を撮りたいのを我慢しているので少し腹立たしい気持ちになってしまうのが日本人的。
ショウ自体は中国人ダンサーの「楊麗萍(ヤン・リーピン)」がプロデュースし中心的な演者としてダンスも披露します。彼女自身も白族(バイ族)の出身だとか。1時間半程度の公演ですが、2人で300元(1人分300元で購入したらもう1人分無料)の値打ちは十分あります。
苦難の帰路
さてショウが終わって劇場を出たのは10時を過ぎていたと思います。しかしここからホテルに帰るまでが、大変な苦難でした。まず、新興のショッピングモールだからか、タクシー乗り場というものが見当たらない。道路でタクシー待ちをしているらしき人もちらほらいるが、周囲には工事中のエリアも多くタクシーはほぼ通らないような町外れです。中国人でスマホ決済が可能ならアプリで車を呼ぶこともできるけど我々はそれもできない。仕方なくツレが翻訳アプリで近くにいた中国人にタクシーと呼ぶにはどうしたら良いかと聞くと、何やら難しい顔をしています。そもそもこの場所は町外れでアプリで配車するもの難しいようで、タクシーを捕まえることはかなり困難とのこと。そうしたら親切なその人は、「僕が呼んだ車に乗でタクシーが拾えるところまで送ってあげる」とのこと。言葉も通じない(翻訳アプリはあるが)外国の人にそんなに親切にできるでしょうか、日本人は。
その人が呼んだ車に乗せてもらい、親切な人が運転手と何やら相談してくれています。結果、「タクシーはなかなか拾えないようなので、ホテルまで送ってあげる。回り道した分だけ運転手に20元払ってあげて。」とのこと。自分も早く家に帰りたいだろうに、なんて親切なんでしょう。多少お金を親切な人に払おうとしましたが「方向が同じだから」と受け取ってはくれませんでした。これからは日本で外国人を見かけたら、最大限親切にしようと心に誓いました。
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